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2010年02月18日

平成22年度予算案を発表しました

先ほど記者会見を終えました。
順次、予算案の内容を書いていきますが、まずは全体の概要から説明します。

<平成22年度当初予算>
・一般会計 3503億7000万円(前年度比 153億7000万円増 4.6%増)
・特別会計 3702億2800万円(前年度比 198億8600万円減 5.1%減)
・合計   7205億9800万円(前年度比 45億1600万円減 0.6%減)

●財政が厳しいのに一般会計が増える理由は?
前年度に比べ一般会計が約150億円増えていますが、これは国の子ども手当で177億円増えたほか、生活保護費が昨今の経済情勢から238億円と前年度比31億円増えたことと、中小企業への金融対策を73億円上積みしたことによるものです(子ども手当ては旧児童手当分以外は全額国庫補助、生活保護費は3/4は国庫補助)。
それを除けば一般会計も特別会計も大幅な減となっており、基本的には相当事業費を圧縮した予算となっています。

●今回の予算のテーマは「未来に希望が持てる予算」です
今回の予算編成で私が意識したのは「未来の自分、子どもたちに希望が持てる予算を作ろう」ということです。
そのためには、まず危機的状況に陥った財政の再建が必須です。将来破たんするかもしれない財政状況では希望も何もあったものではありません。この千葉市にずっと住んでいても大丈夫と思ってもらうため、将来に渡って財政を好転させるコスト縮減を行いました。
その結果、至上命題であった「平成24年度の早期健全化団体転落阻止」は道筋をつけられたと思います。

●未来を守るため徹底的に歳出を削減しました
千葉市版事業仕分けとも言える事務事業の外部評価も行いながら徹底的に事務事業を見直しました。また、就任直後から一つずつ結論を出してきた大型公共事業の見直し、外郭団体も含めた補助金の削減、下水道事業などの公営企業の経営健全化などで50億円以上をカットしました。
さらに、人件費では政令市初となる退職金カットのほか、給与の大幅カットも断行し、36億円を捻出しました。
これらの削減の結果、当初折り込んでいた経費削減30億円を加えて118億円の歳出削減効果を生み出しました。

●あらゆる歳入確保にも取り組みました
現在、各区に分散している徴収機能を2か所の市税事務所に統合することで徴収能力を向上させるほか、未利用地の売却、公共料金の適正化などにより50億円近くを確保します。また、先日ご説明した県からの補助金の確保など、あらゆる歳入確保を行いました。
ただ、一番歳入確保で大きかったのは地方交付税と臨時財政対策債の確保です。その結果、自主財源の比率が低下したことは残念なことですが、この税収減の状況では止むをえませんでした。

<今回の予算編成の動き>
1.予算編成見通しの段階で270億円の収支不足
  ・市税収入が過去最大の減収になるなど歳入が大幅減
  ・経常的経費を30億削減、事業の見直しなどの歳出削減をしよう
  ・土地を売ったり、広告収入を増やすなど歳入確保をしよう
  ・それでも270億円収支不足が発生
  ・このまま安易に市債や基金に頼ると平成24年度に早期健全化団体に転落
    ⇒脱・財政危機宣言(09/10/21)

2.収支不足に対して徹底的な見直しに取り組む
(歳入確保)合計:149億
  ・市税等徴収対策:13億
  ・公共料金新設、改定:15億
  ・土地売却:さらに21億
  ・普通交付税、臨時財政対策債など:さらに100億
  ・県単補助金の確保:さらに1億
(歳出削減)合計:88億
  ・人件費削減:36億
  ・補助金の削減、事務事業の見直しなど:52億

3.さらなる税収減!
あらゆる対策を講じていきましたが、脱・財政危機宣言時よりもさらに税収減となる見通しとなり、実際には収支不足額は300億円を超える規模になりました。
ここまで来るともはや歳入確保・歳出削減対策を徹底的に行っても収支不足を埋めることはできず、止むを得ず市債管理基金から30億円借り入れ、さらに財政調整基金を6億円取り崩して対応することに。それでもお金が足りないため、定年退職以外の退職金20億円、国民健康保険料特別会計の赤字補てん27億円を一旦計上せず、決算での対応とすることとしました。

今後は予算執行の段階でさらなる経費削減を行い、先送りした事業を補正予算で対応する必要があります。昨年インセンティブ予算を導入し、予算を余らせた場合、その部署にメリットが出るようにしていますので、そうした制度も活用しながら経費削減に努めます。それでも足りない部分は残しておいた財政調整基金を取り崩すか、減収補填債を発行することになるでしょう。

いずれにしても不退転の決意で臨まなければ100億円規模で市債管理基金からの借り入れをすることになり、予算発表の段階で早期健全化団体への転落が濃厚となっていたでしょう。崖から落ちるのをギリギリ耐えた予算と言えます。

そんな厳しい予算の中でも未来に希望を作るための新規・拡充事業を行っていますので、次回はその説明をしたいと思います。
posted by 熊谷俊人 at 18:05| Comment(0) | TrackBack(0) | 財政・予算 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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