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2010年03月04日

H22年度予算の内容5:高齢者福祉

予算内容説明の第5弾は高齢者福祉です。
高齢者福祉は今回の予算の特徴が一番現われている点だと思います。

今までは高齢者に対して銭湯入浴券、はり・きゅうマッサージ券・敬老会と、対象者に一律に福祉サービスを提供していました。
しかし、今後高齢化が急速に進展することを考えると、こうした福祉サービスの予算はさらに拡大し、財政を圧迫することは目に見えています。誰がどう考えても今と同程度のサービスを続けることは不可能なのです。

その現実を多くの人たちは理解していたと信じますが、今既にその恩恵を受けている方々がいらっしゃる以上、なかなか見直しに踏み切れなかった事情があります。
しかし、このまま現実を直視せず見直しが遅れてしまえば、一番泣くのは未来の世代です。未来の世代の財布からお金を抜き取って今の人たちの福祉サービスに充てる時代はもう終わりにしなければなりません。

今回そうした予算を大幅に見直し、逆に真に支援を必要としている方々に重点的に配分をすることにしました。一つひとつの見直しの決定をする度に心が痛む思いがしましたが、私の政治生命をかけて決断をしています。

●高齢者福祉施設の整備助成 6億1,607万円
【建設費助成】
 ・特別養護老人ホーム 3ヶ所
 ・小規模特別養護老人ホーム 1ヶ所
【施設開設準備助成】
 ・小規模特別養護老人ホーム 1ヶ所
 ・認知症高齢者グループホーム 1ヶ所

今でも施設に入れず待機している方々が数多くいらっしゃいます。今後も入所希望者は拡大する一方ですので福祉施設の整備は急務です。

●成年後見支援センター(仮称)設置 2,250万円
●ちば認知症コールセンター(仮称)設置 197万円
●成年後見制度利用支援 382万円

高齢化が進むということは認知症の方も一気に増えるということです。認知症は家族の方々のご負担もありますし、また消費者トラブルなどに巻き込まれるケースも数多くあります。こうした判断能力が不十分な方々への相談・支援体制を充実・強化します。
また、そうした方々が成年後見制度を利用する場合、申し立て費用や後見人報酬について助成していますが、その要件を緩和して利用しやすくします。

●介護施設の介護スタッフ確保事業 2億1,851万円
介護施設が失業者を雇用する場合、また雇用期間中に介護福祉士やホームヘルパー2級の資格を取得した場合に市として一定の補助を行う事業を創出します。
高齢化に伴って介護スタッフの数も倍必要となります。いくら施設があってもそこで働く介護スタッフが充実していなければ意味がありません。高齢化社会を見据えて今から介護スタッフを確保する事業を実施しておくべきです。

●一人暮らし高齢者見守り支援 700万円
一人暮らしの高齢者などを地域で見守るネットワークがこれからの時代は必要です。幸町2丁目でそのモデル事業を実施します。

●介護予防事業 (介護特別会計) 1,000万円(360万円増)
脳の健康教室や健康づくりプロジェクトの実施場所を拡充し、介護予防事業を拡大します。脳の健康教室とは簡単な読み書き計算や軽運動を行うことで認知症を予防するものです。

一方で見直した事業としては

○敬老事業(敬老会) 3,900万円(6,172万円削減)
今までは民生委員など地域組織に敬老会を委託し、70歳以上の高齢者一人あたり830円を払っていました。しかし、今や高齢社会の進展で70歳以上の方は千葉市で13万人近くいます。平均寿命が男性79歳、女性86歳の時代にあって本当に70歳以上の方々全てにお金を出すことが適当なのか考え直さなければいけません。
そこで、高齢者を敬う気持ちは大事にしながら事業を今後も継続可能とするため、委託事業から補助事業へ移行し、対象を75歳以上の方へ、単価についても500円に見直しをさせて頂きました。

○ことぶき大学校 6,128万円(1,347万円削減)
60歳以上の高齢者を対象に、陶芸・美術・園芸・福祉健康の4学科を学ぶ場を提供する事業ですが、外部評価でも見直しが必要との意見が出されています。
高齢者のいきがい対策は必要ですが、市の税金を投入して1学年200人ほどの方々に学ぶ場を提供することが本当に公平な税金の使い方か疑問です。民業圧迫でもあります。
4月から講座回数や職員の削減を行い費用縮減をしましたが、再来年度は抜本的な見直しが避けられません。そのため、通常は2年で卒業のカリキュラムですが、4月に入学する方々は1年で一旦卒業とすることにしました。

○老人つどいの家運営 934万円(235万円削減)
外部評価員全員が廃止すべきとなった事業です。
一般家庭の居室を一部開放して高齢者の交流の場を提供する事業ですが、高齢者施設が無かった事業開始時(S48年)と比べて今は施設も増加していること、利用者が固定化していること、提供者も高齢化し利用者が縮小傾向にあることから平成23年度に廃止とし、段階的に縮小していくこととしました。

○シルバー健康入浴 4,026万円(2,112万円削減)
これも外部評価員全員が廃止すべきとなった事業です。
高齢者の引きこもりを防止するため65歳以上の一人暮らしの高齢者に対して銭湯の無料入浴券を年48枚配っていた事業です。
銭湯のある地域が偏っていること、銭湯の経営補助的性格があること、利用者の割合や利用率が高くないこと、などから平成24年度に廃止することとし、段階的に縮小します。
posted by 熊谷俊人 at 13:20| Comment(6) | TrackBack(0) | 財政・予算 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
どうなんですかね
個人的な意見ではあるんですが
幼老を一体にしてみるといいのではないかと思う時があるんですよ
幼児にとっても
子供のうちから
老人とふれあう事で色々と成長する部分もあると思うし
老人
とくに痴呆症を患ってる方など
幼児
まぁ、子供ですね
私は
多少、医療に携わった事があるんですが
ふれあう事で、脳に働きが出てくると思うんですよね
あとは
一緒に出来そうな所は一緒にする事で
予算等も多少は見直せるのではとも思いますけど
Posted by 通りすがりの都在住 at 2010年03月04日 23:05
高齢者からすると、「ひどい市長」と思われるかもしれません。しかし、現役世代からすると、「よくやってくれた!!がんばれ市長」と思います。
現役世代の政治家に対しての不満は、分母が多くて投票率の高い高齢者にばっかり優遇の政策が多いことだと思います。
失礼ですが、「元民主党議員」とは思えない英断です。

あと、幹部メッセージ分かりやすいです。長さもスクロールしなくても読める事、絵入りで見やすいことです。毎回クリックすることがめんどくさいので、出来れば、RSSにしてほしいと思います。
それと、Twitterですが、職員・議員の会話を見ていて、「すごい!!千葉市。これってリアル市役所?」と思います。
Posted by 田舎者 at 2010年03月05日 19:55
私は20年ほど前に、縁も所縁も無い当市に引っ越してきた団塊世代です。即ち、60+αの歳です。
受験では狭き門をこじ開けないと合格せず、就職してからは「年季を積めば今の先輩たちのように良い目が見れるから・・・」と、年功序列で安い給料に甘んじ、当時の老人達のために年金を払い。  もうじき、先輩たちのように良い目が見れると思っていた時、職場では実力主義だ、年金破綻するので支給年齢の引上げ・新規支給者への支給減額、etc。今まで、福祉を支えていた世代が、福祉で負担を負わせる世代となってしまったのです。
市長の立場としては「段階的に縮小します」としか言いようが無いのでしょうが、上記のような団塊世代としては、直前で廃止されるよりも、(数年余裕がある今)即刻廃止して欲しい制度ですね。 引きこもりを防止するための「銭湯の無料入浴券配布」は、業界関係者が無理やり名目をこじつけて、起こした"(事業とは言いたくない)税金ばら撒き"のようですね。
Posted by 緑区の小父さん at 2010年03月07日 17:40
”高齢者福祉施設の整備・介護スタッフの確保”
首記のことに重点を置いて頂けるのなら、他のことは我慢できるでしょう。これが充実されれば他のことは二義的な施策で、自然消滅
するかも。介護世帯に後顧の憂いがなくなりますように。
Posted by 稲毛区:草間 at 2010年03月08日 07:18
新聞報道によれば、来(H22)年度予算案の高齢者福祉関連で、当初予算案に対して自民党議員団からいろいろと質問が出ているとのこと。 自民党議員も、民主党所属市長なので反対するのではなく、また、従来型の"過剰福祉"政策だけは止めて欲しい。
「十人十色」、意見は多種多様であるべきであり、審議中の議案であっても情報は開示すべきと思うのだが・・・・・・。
Posted by 緑区の小父さん at 2010年03月19日 08:38
自民党の質疑に対する質問が、鈴木議員から出ており、鈴木議員のblogに掲載されてます。
Posted by 緑区の狼 at 2010年03月19日 16:46
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