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2010年05月24日

国の出先機関改革の公開討議に地方代表として出席

この日は朝から東京へ移動して、国の出先機関改革のための公開討議に出席しました。地方側は私の他に知事会から2人、市長会から1人、町村会から1人です。

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●国の出先機関とは
出先機関は国交省なら関東地方整備局、経済産業省なら関東経済産業局といった感じで各地に存在しています。
国の事業の中で地域と関係する事業を実施しているわけですが、多くの業務が地方で実施している業務と重複しており、二重行政に陥りがちな側面があります。また、私たち地方は地方議会のチェックや住民監査請求などによって常に業務が適切に行われているか審査されるのに対し、国の出先機関はそうしたチェック体制が働かない点も問題でした。
政権交代前から地方分権改革推進委員会などで出先機関の機能を地方側に移管する話が出ていましたが、民主党は「原則地方移管」をマニフェストに掲げ、現在もう一度議論を進めています。

●政権交代しても各省庁の抵抗は強い
私は出席した午前中は経済産業省の経済産業局、厚生労働省の労働局の部分でしたが、正直「このまま事務レベルで進めると厳しいな」と感じました。
政務三役が「出先機関改革は進めていく」と言っても事務方が作った資料は「出先機関は必要不可欠だ」という内容です。細かい制度設計をするのは事務方ですから、このままでは自民党政権時代とそれほど大幅には変わらない結論が出てくる可能性すらあります。
私は市長会の代表、そして政令指定都市の代表としても出席しましたから、「分権の際は基礎自治体への委譲を、特に政令市は委譲に耐えられるので先行して委譲を」という趣旨の発言をするつもりでしたが、それ以前の議論になってしまいました。

●地域経済振興は地方に任せて、もっと国がやるべきことを
そもそも経済産業局の取り組みに商店街活性化事業などが出てくることがおかしいわけです。
商店街活性化と一口に言っても、自治会など地域の関係、高齢者福祉など地域福祉との密接な連携を含めて、街づくり全体を考えて地域を活性化させていく中で商店街を活性化させるものです。こうしたことは地域に近い自治体が一番よく分かっていることで、国家の出先機関の仕事として優先順位が高いとはとても思えません。
そんなところに貴重な国民の税金と人員を使うくらいなら、国家レベルでの成長戦略にリソースを集中して欲しいと思いますし、地域振興は地方に財源を渡して実態に即した振興事業をより強力に進められるようにするべきです。

●労働局の議論は正直失望
労働局のハローワーク業務の移管についても期待はずれの議論でした。
ILOのような国際条約を持ち出してきたり、果ては憲法まで持ち出す有様。反対のための理屈作りからスタートしているのではないかとしか思えない資料と政務三役の説明に、地方側としては正直失望せざるをえません。
自分達に都合の良い業務は「全国一律を維持するために必要」という理屈を使ってきて、生活保護のような都合の悪い業務は地方に任せるという発想は理解に苦しむものがあります。

確かに出先機関改革は国の覚悟のほかに、私たち地方側も覚悟を決めなければならない点があります。私たち地方側の理想が全て正しいとも思いません。しかし、役人にありがちな「権能の保持」を根本的に変えていかなければ建設的な議論はできないでしょう。
新政権全体では出先機関を原則移管しようと奮闘していますので、私たち地方側も積極的に関与し、地域の実情にあった各種政策が実行でき、国民の税金が1円でも賢く使われる体制が構築されるよう努めます。
posted by 熊谷俊人 at 23:00| Comment(9) | TrackBack(1) | 国や県の制度など | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
民主党瓦解
支持率の低下、マスコミの政権批判、首相の凡々度、参院選の行方、・・・・。これ等を見つめてサボタージュに入った霞が関。参院選に全力を挙げて勝利し、見返すしか手がない。事業仕分けを見ていても今一切込みが甘い。仕分け側と霞ヶ関の知恵比べなのだから、仕分け側はもっと結束して知恵を出さねば成果半減。
Posted by 稲毛区:草間 at 2010年05月25日 09:17
霞ヶ関(組織)に、徒手空拳で立ち向かうドンキホ-テであるにしろ、やはり今変えなければ、ギリシャと同じ道をたどることを、日本国民はみな感じているでしょう。熊谷市長の奮闘ぶりは片貝海岸でも評判よかったですよ。霞ヶ関(組織)にも良識のある人は多くいます。竜馬伝よろしく組織を飛び出し、脱藩志士のごとく戦っている若い人を私は応援しています。役人にありがちな「権能の保持」は、組織を一度ぶっ潰す必要があります。というか、いかに効率よく解体できるかに日本の未来がかかっているでしょう。新産業の創出を、国家戦略というレベルで早く構築できる人材を国政にいかに一人でも多く送り込めるか。参院選に全力!
Posted by 大和魂 at 2010年05月25日 17:55
"大和魂 "さん、同感ですが、霞ヶ関ではなく永田町(国政政治家)でしょう。
「何のための、誰のための政治か」を忘れて、政治家のための政治を目指し、名が知られてるだけで候補者とする複数の政党。
国民を馬鹿にしているとしか考えられません。
Posted by 緑区の小父さん at 2010年05月25日 19:02
緑区の小父さん、そのとうりだと思います。馬鹿にされないよう頑張ります。
しかし日本国民は、なかなか賢いですよ。
Posted by 大和魂 at 2010年05月26日 12:24
地方側は孤軍奮闘ですね。
ハローワークは「国の指揮下で職業紹介を全国ネットワークで行うことを定めた国際条約に違反する」だから地方には移管できないなどと、もう箸にも棒にも掛りませんね。
国はパソコンのネットワークで充分でしょう。現場は地方に。
国の職員と聞いただけで人肌を感じないこの頃です。
繰り返し同じことを何度でも言って頑張って下さい。
Posted by 早川 at 2010年05月26日 19:24
市長の失望が感じられる日記ですが、官僚の発言を保身と決め付けるかのような発言は控えて頂きたいと思いました。

実務レベルの方々を論破できないだけで、官僚批判をしているようにも聞こえます。

最近は「天下り」など官僚の一部分に焦点をあて、強引に「政治主導」を謳い、官僚を排斥する傾向があります。

あれは単にイメージ先行で政治家になれてしまい、官僚を使いこなせない政治屋さんが増えているんだと感じます。

民間企業では往々にして行なわれている「天下り」、なぜ公務員ではダメなのでしょうか?

「天下り」全廃による組織力低下、行政官の士気の低下、それによる国家的な損失を、民主党は考えているのでしょうか?

話が逸れたので戻します。

本文中の記載にありましたが、議論に憲法を持ち出してはダメなんですか?

場面や経緯はわかりませんが、憲法は法治国家の根幹です。

千葉市は機能が維持されても、維持されない地方が出たときに責任的に負うのは彼らです。


長くなってすいません。

市長は未来のために行動されていて、ほぼ同世代として尊敬しています。

これからも千葉市のため国のため、頑張ってください!
Posted by かじゅ at 2010年05月26日 20:51
「憲法まで持ち出す有様」とありますが、まずは憲法から議論し、それを暮らしに活かすような政策をすすめて欲しいと切に願っています。
いまある憲法や法律がなぜできたのか、どうしてそのような制度になっているのか、特に政治家の方々は、謙虚に歴史から学ぶ必要があるのではないでしょうか?
また、生活保護は「都合の悪い業務」なのでしょうか?
Posted by 一市民 at 2010年05月27日 23:55
久しぶりにコメントさせていただきます。
地方への移管を誰が受けるのか、県と市町村の関わり方も重要と思います。

道路管理なんかそうだと思うのです。
国・県・市とそれぞれ管理すべき道路があって、それぞれ役割分担しているんですよね。

でも管理という機能面から見れば、機材や人が国・県・市それぞれに重複して存在している、運営コストをそれぞれが重複して負担している状態といえます。

国・県・市と別々の主体が自分が管理すべき部分についての費用を賄っているのでその枠組みでは正しいのですが、税金を払っているのは同じ人なので、機能の重複分を余計に払わされているといえます。

なにか、千葉県と県内市町村がそういった機能面の集約をはかるといったことは検討できないものでしょうか?
そういったことを千葉市が先頭にたって取り組むといったことがあっても良い気がするのです。

国vs地方という時に、自分たちは地方(県)vs地方(市町村)の課題をこうやって解決したのだから、国もそうすべしといった方が、説得力があると思うのですが・・
Posted by 地場企業のおやじ at 2010年06月01日 10:48
皆さまご意見ありがとうございます。
私は官僚を悪者にする気はありません。「政治主導」という言葉も少し誤解を招く表現だと思うので「政治率先」くらいの言葉に変えた方がいいのではないかと思っています。
なお、憲法の件ですが、決して私が憲法を軽視しているというわけではなく、ハローワークという全国ネットワークを国が今後も維持するための理屈として「憲法27条に規定する勤労権は国が保障すべき」という主張を使うのは無理があるということです。
確かに勤労権は国が保障すべきですし、全国的な制度の責任は国が持つべきと考えます。しかし、そのこととハローワークという施設や人員という出先の運用は切り分けて考えるべきで、論点のすり替えは誠実な対応ではないと考えます。

また、県と市町村の機能面の集約、これはまさにおっしゃるとおりです。まず自分たちの中で姿勢を示すべきですよね。
今私が県内の上水道と下水道の一括徴収を他市に呼び掛け県に提案をしています。こうした機能面での集約、二重行政の排除が不可欠です。
Posted by 熊谷俊人 at 2010年06月01日 16:14
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Excerpt: 地域主権戦略会議の国の出先機関を原則廃止し、地方へ移管する出先機関改革の5月24日の討議内容です。この日は、経済産業局(経済産業省)、都道府県労働局(厚生労働省)、地方農政局・森林管理局・漁業調整事..
Weblog: namiメモ
Tracked: 2010-05-26 12:57