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2011年07月05日

番号制度研究会に出席

この日は午前中は東京で行われた番号制度研究会に出席。
番号制度とは共通番号と呼ばれているもので、先日名称がマイナンバーになると報道されていました。(番号制度の詳細は国の番号制度専用ページにある「社会保障・税番号大綱」の概要などをご覧下さい)

日本は共通番号を導入していない珍しい国で、そのため行政の現場では様々なロスが生じています。
例えば別の市に引っ越した場合、転入届以外にも国民健康保険など様々な社会保障の手続き、保育所など自治体独自の福祉施策の手続き、水道などのライフラインの手続きなどが発生します。共通番号が導入され、その情報を自治体間でやり取りすることができればこうした手続きは全て一括で行うことができます。
ユーザIDで管理せず、個別のサービス毎にIDを振って別々に管理している企業を考えて頂ければ、いかにムダかお分かり頂けるかと思います。

前回の研究会で私からは「手続きの簡略化のほかに、共通番号をマーケティング的に活用することで、より戦略的な都市経営が可能となり、住民に恩恵をもたらすことができる。具体的にはデータ分析に活用できるようにすること。例えば生活保護が今急増しているが、税情報や失業保険、各種健康保険などのデータをクロス分析することで生活保護に陥りやすいパターンを把握することができ、生活保護になる前に未然にそうした方々に相談・支援などのアクションを起こすことができる。」というような話を申し上げ、番号制度の大きな研究テーマの一つとなりました。

今回、私からは
・番号制度により必要な情報を自動的に引き継ぐことが可能になるほか、その住民が必要とするサービスの情報をこちらから提供することが可能になり、住民の利便性が向上する
・各自治体は独自に様々な医療費助成を行っているが、医療保険との併給調整が非常に煩雑になっている。番号制度によって併給調整や重複支給のチェックが可能になる
・医療機関と情報共有することで医療費負担の現物給付化が可能となり、利便性も向上する
・自治体が行っている様々な福祉施策には所得要件のある給付や低所得者への支援があり、所得に関する情報が不可欠であるが、現状では引っ越した場合は引越し先でその制度の所管部署に所得の申告を本人にして頂く必要がある
・番号制度によって税情報の引継ぎが可能となり、住民も引越しの度に所得を証明する書類の添付が不要になる
・番号制度で様々な社会保障サービスが紐付けられることにより、行政サービスの恩恵をどの程度受けていて、一方でどの程度の税や保険料などの負担をしているのか、給付と負担のバランスを検証することが可能になる
・また、制度レベルでも集計をマクロで行うことで検証が可能となり、より良い制度を考える一助となる
・これら番号制度のメリットを活かすためには自治体の職権を整備してもらう必要がある
・具体的には国民皆保険である以上、例えば会社を辞めれば国民健康保険に加入する必要があるが、本人申請のため加入していない方も多い。他にも本来であればどこかの制度に入るべきにも関わらず本人申請主義のため我々では適正化できない、もしくは把握もできないケースが多い
・番号制度によって得られた情報をもとに職権によって資格の得喪を可能とする法整備が必要
・住民側に立っても、今は社会保障制度や福祉制度がきめ細かくなり、自分が受けられる制度を十分に理解することは難しいが、自治体側からその住民が受けられる制度についてプッシュ型で情報提供することが可能となるよう制度化が必要
・こうした自治体への権限付与は大きな利便性があるとともに、個人情報の利用について懸念を抱く人も一部出てくる。その懸念に対して一定の拒否権を付与する必要がある。
・ただし、大事なことは一部の人の懸念によって多くの国民に利便性が提供できる仕組み自体が見送られることのないようにしなければならない。国民にとって義務に近いものは100%自治体側に権限を付与し、それ以外の項目については住民に選択肢を渡すなどの手法を活用すべき
・社会保障を最適化することは効率的な行政、ひいては国民の税金がムダに使われない社会を作るためには不可欠であり、個人の情報であるとともに社会の情報でもあるという大前提について国民理解を高める取り組みが必要

というようなことを申し上げました。
現場に根ざした現在の制度的課題や番号制度導入にあたって考えるべきポイントを出し、議論は大いに盛り上がり、千葉市として貢献できたと思います。
その後、スウェーデンの社会保障制度の状況が示され、国民が社会保障を最適化することに理解があり、様々な形で番号制度によって得られる情報を活用していることが報告されました。

国民にとって最適な社会保障サービスを制度化するためにも番号制度は必要ですし、住民の利便性向上や税金のロスのない効率的な運用をするために番号制度の活用は不可欠です。
大事なことは今までどれだけのロスをこの社会が行ってきてしまっているのか、国民にはっきりと分かる形で示し、民間も含めサービス提供者にとって当然の固有IDによる管理を行うことが全ての制度議論の前に必要であるという認識を深める必要があります。
posted by 熊谷俊人 at 23:00| Comment(1) | TrackBack(0) | 国や県の制度など | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
twitterでも数人とtweetしてたのですが、システム屋の見地から、頑なに導入に反対する意見もあります。心情的には判らなくもないのですが。
一つには漏出などに対する罰則が殆ど機能していない点が挙げられています。この点も抜かりなく強化する必要があるでしょう。
具体的には漏出したら犯人または、企業が番号の再発行などの責任を負う−等です。
漏出させてしまった大手企業では一人あたり数千円の賠償金を払ったりしていますが、この下限や補償内容(企業・社員への実効的な社会的制裁:例:名前を開示する等)を利用者が納得できるまで引き上げる事も押さえておきたいです。
ちなみに銀行の名寄せは殆ど完了している、という情報も先のtweetの中で知りました。
Posted by 緑区の狼 at 2011年07月07日 01:16
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