先日、千葉市でも職員向けに電子自治体の講義をして頂いた廉宗淳(ヨムジョンスン)氏と待ち合わせし、韓国地域情報開発院を視察。
韓国地域情報開発院は日本が地方公共団体の情報化の推進を図るために設立した(財)地方自治情報センター(LASDEC)を学んで作った組織で、地方自治体が使うシステムを研究して作り、そのシステムを無償で配っています。日本は各自治体がバラバラにシステム構築をしていて多額のシステム投資をしていますが、韓国はこの点非常に効率的な体制になっていると言えます。
さらに、システムに対するサイバー攻撃に対応するセンターも運営しており、全国の自治体のシステムを支援しています。これも日本では各自治体が個々に管理していますが、一括で管理することで効率的であることはもちろん、より高度な知識を有する職員が対応することでセキュリティレベルの向上にも寄与します。各自治体のネットワーク構成はもちろん、サーバルームの異常まで監視しているのには驚きました。まさに集中管理です。

奥の部屋がサイバー攻撃を常時監視しているセンターです
この韓国地域情報開発院の誕生で面白い話があり、韓国の方々が日本のLASDECを視察した際に「日本では各自治体のシステムをLASDECが作っている」というような受け止め方をしたそうで、「それは凄い。日本でできるのであれば韓国でもできるはずだ」ということで国を挙げてシステム共通化に取り組み、日本では実現できなかったことを成し遂げているというものです。
日本では地方分権が進んでいるため、全国一律でシステムを構築して管理することは厳しいかもしれません。スケールメリットが活かされる反面、個々の自治体にしてみれば自由度が損なわれるからです。私も通信会社勤務時代に社内システム統合を見てきましたが、全体最適化施策といえども抵抗感を感じる個々の組織を納得させることの難しさを感じました。民間企業内ですらこうですから、それぞれが独立した行政体をまとめるのは並大抵ではありません。
結果、日本では県単位で県下の自治体用のシステムを一部共通化する動きで止まっています。
今後何に力を入れていくべきかとの質問をしたところ、やはりモバイル・スマートフォン・クラウドへの対応でした。日本の自治体はクラウドはともかくモバイル・スマートフォンについてはまだまだ積極的に対応しているとは言い難いところがあります。しかし、この分野は今後行政として非常に重要な分野になるでしょう。
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