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2011年10月25日

呉江市2日目@:経済技術開発区・日立光電有限公司視察

2日目は呉江市経済技術開発区を視察。
この開発区は1993年江蘇省政府の承認開発区で、計画面積80Ku、主な産業はICチップやディスプレイ機器の部品など電子情報産業、機械製造業、食品保健産業、新規建材業、光ファイバーなどです。2006年には国家級の開発区となりました。
この開発区の中には輸出加工区という、輸出専門の産業誘致区があり、付加価値税、消費税、輸出関税などを免除する特殊優遇政策制度が適用されています。

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その後、この開発区域内にある日立光電有限公司を視察。
ここは茂原市に本社がある日立ディスプレイと台湾企業による合弁会社で、液晶テレビ・ディスプレイを組み立てるのに必要なTFT液晶などの部品を製造しています。ちなみにこの企業の総経理(日本で言う社長)は千葉市出身の方で園生小、小中台中卒業ということでローカル話で盛り上がりました。
事業展開の状況を伺ったところ、液晶テレビの需要増とエコポイント制度によって生産はどんどん拡大したものの、エコポイント制度の終了とLEDの普及などに伴い、TFT液晶の生産は減少しつつあるようです。

この日は本社から本部長がお越しになっていたので呉江市に進出を決めた理由についても伺いましたが、まず価格競争力の観点から中国への進出というのが持ち上がり、さらに港湾が近く、交通網も発達していること、以前から日立ディスプレイのビジネスパートナーであり、今回合弁に至った台湾企業が呉江市に進出していること、呉江市の企業誘致の優遇策があったことなどにより進出を決定したとのことでした。
呉江市の企業誘致は2免3減という、2年間は税を免除し、残る3年間は減免というもので、「これ以上の優遇策を望みますか?」と聞いたところ、「いや、5年あれば十分。5年で立ち上がらなければ事業としてそもそも問題がある」とのこと。一番のポイントはやはりパートナーの存在のようです。

今回の訪問団メンバーである副会頭2人もそろって「中国でのビジネス展開の鍵はパートナーに尽きる」と言っており、合弁が基本の中国では良いパートナーと巡り合うことが何より重要であり、立地や事業展開もパートナー企業との観点から選択するようです。
総経理も「千葉市から企業進出する際、何か分からないことがあれば遠慮なく現地の日本人会などにお尋ね頂きたい。現地の事情、注意すべきポイントに加え、ビジネス展開に必要なパートナーの情報なども提供できるかもしれない」とのことでした。

なお、労働争議(組合による賃上げ運動)の状況も進出の一つの判断材料になるそうで、呉江市では大きな労働争議が無いこともポイントだったようです。
さらに人材面について伺ったところ、中国では社員はどんどん辞めていく(他社へ行く)そうで、1ヶ月で10%もの社員が入れ替わるとのこと。人を維持する方が難しいので減産になっても労働者の調整は容易であるものの、マネジメント層は簡単に辞めてもらっては困るのでインセンティブなどを工夫しながら長期在籍してもらうよう努めているそうです。

さらに突っ込んで今後の自治体として企業誘致のあり方などについて意見交換。
本部長曰く、「戦略的に企業を集積することが必要。例えば今後日本では再生可能エネルギー産業が盛んになるが、今の日本は太陽光発電設備を設置した際の補助金や電力の買取制度など、最後の部分への支援ばかり。これではいくら再生可能エネルギーの普及が進んでも部品などは海外製となり、産業の空洞化が進んでしまう。太陽光発電であれば設備を組み立てるまでのプロセス(開発、素材・部品生産など)に対して支援することで導入時のコストは設置に補助する場合と同等となり、かつ産業も地元に根付くことになる。こういう発想が必要ではないか」とのこと。大いに参考にさせて頂きます。

その後、実際に工場を見学させて頂いたのですが、意外に社員による手作業のウェートが高く驚きました。
質問したところ、「中国は労働コストが低いので日本と同じように全て機械化するよりも手作業の方がコストが安いこともある。それに機械化した場合、その機械の設定・メンテナンスを現地社員ができなければ、技術担当者を工場に張りつける必要があり、むしろコスト増になってしまう。現地社員のレベルに応じた機械化を進めることが一番重要」とのことでした。
日本と条件が変われば日本の経営常識がそのまま通用するとは限らない、ということであり、当たり前のことではありますが、非常に勉強になりました。

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posted by 熊谷俊人 at 23:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 都市・経済施策 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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