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2011年12月23日

消防ヘリによるドクターピックアップ方式の運用開始

昨日の定例記者会見で発表した消防ヘリによる救急活動(ドクターピックアップ方式)について紹介します。

ドクターピックアップ方式とは重症傷病者が発生した場合に、救急車と消防ヘリを同時に出動させ、救急車は傷病者を運び、消防ヘリは救急医をピックアップし、救急車とドッキングさせることで、いち早く医師の管理下に置くことができ、救命率の向上を図る新しい取り組みです。
救急車は傷病者に救命に必要な処置を施した後に最寄りの緊急時離着陸場(ランデブーポイント64ヶ所)に向かい、消防ヘリは千葉大学医学部附属病院屋上のヘリポートで救急部の医師を搭乗させ、救急車が向かった緊急時離着陸場に急行し、適切な医療行為を行いながら消防ヘリで迅速に医療機関に収容します。

ドクターヘリは皆さまも聞いたことがあると思いますが、あれは救急現場に到着した救急部隊からの要請に応じて医師を搭乗させて現場に向かうヘリで、私たちは119番通報の段階で緊急と判断すれば、救急車の派遣と同時にヘリを出動させることで、より迅速に医療を提供することができます。
千葉県では消防ヘリを所有しているのは千葉市のみであり、千葉県では初の取り組みにもなります。

今年の2月から千葉大学医学部附属病院と連携し、試験的に実施してきました。
当初は119番通報を受けてドクターピックアップ方式を活用しても空振りが多かったのですが、試験運用を続ける中で通報内容の中から一定のキーワード(四肢切断等)が含まれる場合に出動させるなどのノウハウが蓄積されたことで現在ではほぼ100%の運用が可能となりました。

既に9件ドクターピックアップ方式で医師が緊急時離着陸場で傷病者と接触し、6件は消防ヘリで千葉大学医学部附属病院に搬送され、うち3名が命を取り留めています。
救急は一分一秒を争う世界ですから、こうした取り組みによって今後も一人でも多くの市民の命が守られることを期待します。

この方式の実現には千葉大学医学部附属病院の全面的なサポートがあってのことです。
改めて感謝します。
posted by 熊谷俊人 at 05:14| Comment(5) | TrackBack(0) | 安全・安心の街づくり | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
この記事には直接的には関係ありませんが、【安全・安心の街づくり】という観点でのコメントです。「中田宏著:政治家の殺し方、幻冬舎、2011年」を読んで感銘を受けました。利権に群がるハイエナたち対策には同じような立場の熊谷市長も同じご苦労をされていると思います。例えば、京葉線ガード下の駐車場を管理している財団など、理事長などの人事、処遇などの情報も開示してください。
Posted by yuji5327 at 2011年12月23日 10:10
私も循環器の障害を持ち、3回救急車のお世話になっています。発作がおこると、不安に襲われます。そう言う手だてがあることが判っているだけでも、不安が解消されると思います。我々には朗報です。有難うございます。
Posted by 朝日ヶ丘・下之薗 at 2011年12月23日 19:57
おおとり1,2号の近況も、楽しみです。
Posted by 稲毛区:草間 at 2011年12月24日 18:03
ご意見ありがとうございます。
おっしゃるとおり、こういう手段が用意されているということが不安の解消にもつながると思います。全ての命を救うことは不可能ですが、確率を少しでも高めようとする市の救急施策に対して信頼を頂けるよう取り組んでいきます。

市の外郭団体の役員については市OBの就任状況について公開していますので、市ホームページからご覧下さい。
Posted by 熊谷俊人 at 2012年01月03日 16:40
消防ヘリの有効活用は非常に素晴らしい取り組みですね。しかし、現行のドクターヘリでも兵庫・豊岡病院、千葉・北総病院などでは「キーワード方式」による救急隊との同時出動の取り組みははじまっているはずです。両者を比較すると、基地病院のヘリに待機中の当番医が搭乗してランデブーポイントへ向かうドクターヘリの方が早いということにならないでしょうか?もちろん両者が補完しあえば、より重傷者の命を守ることができるという意味でとてもよいことだとは思うのですが、読んでいて「ドクターヘリよりも迅速」と強調されているところが気になったため、投稿させていただきました。
Posted by kikuzo at 2012年01月06日 00:56
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