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2011年12月29日

橋下市長の区長公募について

12/22の定例記者会見の資料と質疑応答を公開しました。
特に質疑応答については橋下大阪市長の区長公募などについて記者から質問があり、私の見解を示していますので、ご関心のある方はご覧下さい。

市長定例記者会見のページ

ちなみに私は区長を公募することに賛成の立場です。
ただし、その考えの前提が橋下市長とは少し異なります。
橋下市長は区の予算編成権を大幅に拡大し、局長以上、ある種市長に近い立場の区長を作り、公募という考え方のようですが、政令市の区役所は東京23区と違って市役所の出張所の強化版という位置づけですから、現実的には予算編成権の拡大には限界があります。

私自身マニフェストで区長・区役所への分権を訴えていますので、就任以来様々な取り組みを進めていますので、この分野については行政の論理と民間の論理、両方について理解し、2年半取り組んできたつもりです。
その立場から申し上げると、予算編成権というのは企画・立案し、実施する部署が存在し、初めて有するものですが、区役所は全区で共通の事務(戸籍・印鑑証明・年金・子育て)を取り扱うことが基本であり、その部分について独自の企画・立案をすることには限界があります。

仮に独自の企画・立案ができるとすれば、各区で全く別の制度が展開されることになり、もはや一つの基礎自治体ではなくなりますから、分割して独立市になるという話になります。そうなれば本庁の各部署が6つの区役所に分散することになりますから、相当非効率になりますし、膨張した人件費を市民の税金で賄うことになります。
政令市以降に伴って税部隊を6区に分散配置し、賦課徴収機能が弱まった反省から、昨年2つの税務事務所に統合した私たちからすれば、機能分散によるデメリットは相当なものがあると理解した上で区役所の権限拡大は議論しなければなりません。

私が進めている区への分権は区独自の取り組みがあっても良い分野、例えば地域の諸団体(自治会、民生委員、社会福祉協議会、NPOなど)の育成やコーディネート、地域の安全・安心を守るための取り組み、警察や大学など外部機関との連携による新たな取り組みなどについて、区に自主的に企画・行動できる権限と財源を付与していくものです。
今後は商店街などの地域商業の活性化についても区の業務とすることが考えられますし、まだまだ区役所が自主的に行動できる分野はあります。

というわけで、私は橋下市長の区役所分権とは少し異なる立場です。
ただ、橋下市長はそういうことも承知の上で確信犯的に主張しているような気がしています。ある種、国民の政令市の区に対する誤解を利用し、大阪都構想のステップにしようと目論んでいると好意的に解釈しています。

で、公募についてですが、予算編成権が基礎自治体並みになった区役所の区長としての公募は現実的にはありえないとしても、区長の公募そのものには意味があると思います。
先ほど申し上げたように区長に求められる分野は地域団体・関係機関との連携・支援であったり、区内への情報発信や広聴、本庁で定めたルールに則りながらも、現場で生じる矛盾や縦割りを現場サイドから問題提起して全体の改善につなげるといったものであり、こうした仕事は行政職員でなければ不可能というものではありません。

私が市役所の中に入って2年半経ちますが、民間からもっと人材を取り入れることは可能だと感じます。もちろん、行政職員の方が強い・優れている分野はたくさんありますが、民間に限りなく近い業務もありますので、そういう分野は民間出身者と行政職員による相乗効果が期待できます。
その中でも区長というのは比較的民間出身者でも適応可能な分野ですから、私自身も密かな構想として持っていましたし、千葉市でも区長を公募することはありえない話ではないと思います(もう少し先が望ましいとは思いますが)。

橋下市長は非常に注目されていますので全国から優秀な方が区長公募に応募されるはずです。対外的に主張している分野で成功するかは微妙ですが、区長公募そのものはある程度の成功が期待できると思います。

ただし、注意すべきはその公募に応募して区長になった方が将来大阪都構想の議論が進んでいく中で、市内・府内の市長選挙等に維新の会から立候補することがあってはならないということです(維新の会公認・推薦として立候補が望ましくないということであって立候補そのものは当然自由です)。
もし、そのような事態が発生すれば、市役所の職員の稼動で候補者を集め、市民の税金で立候補予備軍を区長として養うことになります。この点に関しては大阪市民や市議はしっかりと釘を刺しておく必要があると考えます。
posted by 熊谷俊人 at 06:59| Comment(6) | TrackBack(0) | 国や県の制度など | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
千葉市出身の横浜市民です。橋下市長の手法の一部について、知ることができました。一般大衆の無知につけ込んでの変革を「好意的に見て」いらっしゃるところに引っかかりを感じましたが、正直におっしゃるところは橋下市長とは違いますね。区長公募制によって、絶対あってはならないことを最後に書いていらっしゃいますが、橋下市長ならやりかねないという危惧をいだきます。いずれにしても、わかりやすい説明をありがとうございます。
Posted by 岡 洋子 at 2011年12月29日 17:42
地域の諸団体に対して「暴力団排除条例」を導入していただきたいです。たとえば入会届(書面・サイン)の提出を徹底する等。公立校PTAで自動的に保護者・教員を全員加入させている場合が多いですが、大きなトラブルを防ぐためにも教育関係団体として入会手続きを徹底すると良いと思います。

Posted by 市民 at 2011年12月29日 19:08
さいたま市民です。
さいたま市でも区長へのある程度の権限委譲を進める動きはありますし、公募の区長は私も賛成です。
ただ、区はあくまでもそれを包括する市があった上で成り立つものだと思います。なので、橋下さんが考えている大阪都のような府県がじかに支配するような仕組みはとうてい賛成できません。
もし、特別区制をとるならさいたま市や横浜市が目指しているような特別市制を目指した方がよりよい住民自治に繋がると思いますが、いかがでしょうか?
こうした事ももっと議論できるといいと思います。
Posted by Asano at 2011年12月29日 20:44
市長の見解に賛成です。橋下市長は、大阪を自治区、すなわち特別区にもっていこうとするステップとして、区長公募を謳っているのであって、現状の改革を前提としていないでしょう。橋下市長の指摘する二重行政の解消の方法として、都政度もあるかもしれませんが、府県の機能と市の機能を併せもった府県から独立した特別市という考えもあります。橋下市長は先ず知事になって、その現状に愕然としたから知事の権限を大きくする都政度に着目したのでしょう。もし、最初に大阪市長になっていたら、市の権限をもっと強くする特別市を構想したかもしれません。
政令市の区はあくまで行政区ですから、限界があります。ただし、その中でも、できる限り、区役所で処理しよう、といういわゆる大区役所主義という考えにより組織を編成している政令市も多数あります。千葉市は、残念ながら小区役所主義、という立場にたって、当初、区役所を作っています。
Posted by 黒坂 at 2012年01月05日 08:13
最後の一段落、考えたことがなかったですが難しい線引きですね。元来意図していなくても、結果的に(本人由来の)志が市長などに移っていく場合との区別が難しそうです。政令市市長の補佐としての人材を公募するだけ、アメリカの大統領の補佐官のようなもので首長に雇われているだけ、というイメージでしょうか。
Posted by やまぐち at 2012年01月05日 20:14
ご意見ありがとうございます。
多くの方が関心を持っていることを改めて実感します。
橋下氏の政令市を分解し、府内市町村を再編するという大阪都構想は新たな二重行政を発生しかねず、基本的には反対の立場です。ただし、府と市が一元的に戦略を考え、無駄を無くすことは賛成ですし、他政令市と比べても非効率な大阪市の区割りを見直すことも基本的には賛成です。橋下氏の施策は評価が本当に難しいです。
私は大阪や横浜のような巨大な市は歴史的経緯も含め、市として独立しているため、特別自治市など都道府県から独立し、その上できめ細かい基礎自治体機能をどのように持たせるのか、という議論が良いと思います。千葉市の規模において言えば、独立して広域行政を担うことで非効率な部分も出てくるため、政令市制度をもう一段前進させたような都市制度が望ましいと考えています。
なお、暴力団排除条例について意見がありましたが、既にブログで発表しているとおり、今年中に条例を制定する予定です。
Posted by 熊谷俊人 at 2012年01月13日 16:50
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