この跡施設の活用には市としての考え、資産経営部の意義が込められていますので、少し紹介をします。
少子化の中で市内に整備した小中学校の中には1学年1クラスとなるなど、クラス運営に支障をきたす学校が出てきています。そこで、教育委員会として一定の基準を設け、統廃合を検討すべき対象地域の地元の方々で構成される学校適正配置地元代表協議会にて統廃合の是非や枠組みを議論して頂いています。
その中で真砂地区に関しては
・真砂第一小学校と真砂第四小学校の統合(真砂第二中学校を活用)
・真砂第二小学校と真砂第三小学校(真砂第三小学校を活用)
・真砂第一中学校と真砂第二中学校(真砂第一中学校、真砂第二小学校校庭を活用)
という枠組みで統廃合することとなり、その結果、真砂第一小学校・真砂第二小学校(校舎)・真砂第四小学校の3校が跡地として残ることとなりました。
それを受けて市として跡地利用を検討してきましたが、教育委員会だけでは判断することができず、個々に所管から活用要望が出てきている状況で、これでは最善の活用方法には至らないと考え、新設された資産経営部を中心に3校全体での活用方法を検討することにしました。
私が市長になって感じるのは「跡施設が生まれる⇒市施設として活用」という発想が市の中にも地域にも固定化されているという点です。
跡施設全てに市の施設を作っていけば、市はどんどん肥大化し、施設維持費だけで財政が回らなくなるということです。跡地があるから、土地があるから、何か作るという発想からは脱却すべきです。今回、資産経営部が全体調整した結果、1校は売却し、その財源も活用しながら残る2校の跡施設を活用することとしました。今回の方針は今後の市の跡地・跡施設活用の基本となるものと考えます。
なお、活用方法としては以下の通りです。
<真砂第一小学校跡施設>
・特別養護老人ホームの用地(美浜区で以前から強い要望あり)
・真砂コミュニティセンター(移転、拡充)
・障害福祉サービス事業所、地域活動支援センター
・自治会集会所(集会所の無い自治会に対して)
<真砂第二小学校跡施設>
・市立高等特別支援学校(障害の軽い生徒の社会的自立を目指す就労支援を実施)
・教育相談指導教室(心理的な要因による不登校中学生のための特別支援学級)
・日本語指導通級教室(日本語指導が必要な外国人中学生のための通級教室)
財政に負担を与えない中で地元要望にある程度応えられ、市にとっても必要な施設整備ができる内容と考えています。
このような考えは若葉消防署跡施設の活用や高洲市民プールの建て替えにおいても貫かれています。
⇒真砂地区小学校跡施設の利用方針(案)に係る地元説明及び意見募集の結果