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2012年02月22日

森田知事に千葉港の旅客船桟橋の早期整備を要請

今日は午前中に県庁に行き、森田知事に千葉港の関係で要請活動を行いました。
平成19年度から千葉県と千葉市で千葉港に整備中の旅客船桟橋について、早期整備を求めるものです。

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この地域は小規模な工場や倉庫が集積する地区でしたが、京葉線からの千葉都心玄関口であることから、商業・業務を中心とした地区へ土地利用転換を行うため、平成5年度より土地区画整理事業が進められました。
また、鉄道駅から至近に海がある優れた立地特性を活かし、賑わいのあるウォーターフロント空間の創出のため、港湾緑地や旅客船桟橋の整備をあわせて進めています。

千葉市としても非常に重要なプロジェクトであり、かつ完成後は千葉市が管理を行う方向で整理することを前提に県の整備費用の8割を千葉市が負担してきました(費用のうち半分が国、残り半分を県が一旦計上し、その8割を千葉市が県負担金として支払うというスキーム)。

ちなみに、千葉市は後発政令市ということもあり、港湾行政を持っていません。
横浜市も川崎市も名古屋市も神戸市も港湾行政を自身で所有しているため、港を活用した街づくりを一元的に行えるのですが、千葉市は港湾管理者である県と協議しながら進めざるをえない状況です。
道路であれば既に県から権限移譲が行われているため、市が責任を持って予算計上し、進めていけるのですが、港湾に関してはいくら市が8割負担しようと主体は県ですから、県が予算計上し、進めなければどうにもなりません。

もちろん、港湾を持つには相当の覚悟が必要ですし、千葉市に港湾行政が移管されればみんなハッピー、という簡単な話ではなく、様々な角度から十分な検証が必要です。
そのため、この千葉港の桟橋整備によって千葉市が一部エリアでも実際に管理することは非常に重要な意味を持っています。

そして、この桟橋が平成25年度に一部供用開始の予定でしたが、どうも遅れそうだという話があり、県に確認したところ、平成27年度末にまでずれ込むということが分かりました。千葉市の街づくりにとって非常に大きな影響がありますので、延期が分かった段階で早く話をして欲しかったと思います。
私たちとすれば8割負担をするわけですから、県には十分な予算をつけて早期に整備してもらいたいので、今回私から直接知事に対して要請活動を行うこととなった次第です。

森田知事からは遅れる理由として震災と工事期間の問題が挙げられました。
被災地の復旧を優先したため、この地区の工事が遅れたとのこと。
そして、もう一つの工事期間の問題は千葉県特有の問題で、漁連との協定に基づき、千葉の海で開発行為等を行う場合、1年のうち、海苔の養殖に関係ない期間しか工事できないというものです。

この漁連との協定は私も市長就任時から知っていて、頭を悩ませています。
1年のうち限られた期間しか工事できないため、工事期間も伸び、工事費用も高くなってしまいます。川崎港や横浜港ではこうした協定は存在していませんので、千葉は全エリアにおいて港湾工事が非常に困難な県と言えます。
私たちはこの地域で工事をしても海苔の養殖に影響は無いと考えますが、県と漁連との協定では個別ではなく、全域において守らなければならない約束となっており、千葉港だけ特別扱いはできないとのことです。

漁業県である千葉県が臨海部を積極的に埋め立て、結果、多くの漁場が失われた歴史を考えると一概に漁連との協定をおかしいと断じることはできません。
しかし、この協定がある限り、将来にわたって千葉県の港湾や海を活かした街づくりのネックになることも事実です。森田知事のリーダーシップにより、漁連と精力的に折衝し、何とか前向きな結論が出せないのか要請しました。

千葉県は東京内湾に長い海岸線を持っていても、港湾は殆どが企業の岸壁のため、県民が海辺周辺で楽しむことはそれほど多くありません。非常にもったいないと思います。
そのため、千葉県の玄関口である千葉港に旅客船桟橋ができることは、千葉市だけでなく、千葉県の経済や観光にとっても非常に重要な位置を占めていると考えています。千葉県にも1日でも早く桟橋が整備できるよう、より積極的な取り組みを期待し、千葉市としても責任をもって港を活かした街づくりを進めていきます。

読売新聞に掲載されました(「旅客船桟橋供用2年遅れ」)。
見出しは「千葉市長 不満」とありますが、県の事情も理解しているので私は「大変残念」と申し上げました。
読売新聞の市政記者は経済記者のため特に経済面の記事が強い気がします。市政記者は文化・政治など様々な分野の人がいるため、各紙ごとに取り上げる分野の比重が違っていたり、着眼点が異なっていたりと、私たちも興味深く紙面を拝見しています。
posted by 熊谷俊人 at 17:51| Comment(1) | TrackBack(0) | 都市・経済施策 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
初めてコメントさせて頂きます。今井と申します。
今年の4月から千葉市中央区に住んでおります。海が好きなこと、また記事にあるウォーターフロント計画(千葉港桟橋)を素敵に思い、千葉に住むことを決めました。ですので遅れているのは非常に残念です。
先日、カナダのビクトリアに行きました。ご存知かも知れませんが、ビクトリアは港町で花と緑が多く自然豊かな治安の良い町です。ビクトリアといえば「インナーハーバー」と言われるくらい、ダウンタウンに面した港「インナーハーバー」は素敵でした。
是非、千葉港の桟橋が完成しウォーターフロント計画が進ん出来た際には「インナーハーバー」と名付けては如何でしょうか。一方的なコメント大変失礼致しました。
Posted by 今井 高明 at 2012年08月22日 19:16
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