まず、平成24年度決算について説明します。
平成24年度は経済の低迷等により市税収入が前年度と比べ14億減少し、地方交付税も予算編成時に想定していた金額を下回ったことに加えて、高齢化等によって扶助費が増加したため、非常に厳しい収支でした。
そのため、当初想定していなかった退職手当債の発行も含めて、特例的な財源措置を講ずるを得ないなど、実質収支は黒字ではあるものの、財政面においては決して良い決算とは言い難い面があります(待機児童が過去10年で最少、企業誘致が過去最高の件数となるなど、施策面では充実しています)。
千葉市は身の丈を超えた公債費(借金返済)が今後も見込まれていますので、税収や地方交付税の動向に大きな影響を受けながらの綱渡りの財政運営が続きます。公債費のピークを過ぎるまで収入確保と支出の見直しを徹底的に行っていく必要があります。
多額の借金返済をする一方、新たな借金についてはできる限り抑制をしているため、市債残高そのものは104億円減少し、順調に削減が進んでいます。
また、将来負担比率も268.5%→261.1%に改善していますので、将来のツケは着実に解消されていることが分かります。
よくメディアでは「実質公債費比率」の増減が取り上げられますが、これはその年度における借金返済の割合を示しており、千葉市が過去多額の借金をし、その返済のピークが今後続く以上、しばらく高止まりすることは避けられません。あまりその数字の上下を見ても大きな意味はありません。
実質公債費比率は「今年も借金返済が多くて予算繰りが大変だな」、将来負担比率は「重い将来のツケがさらに増えたのか減ったのか」を示していますので、今は将来負担比率を注目されると良いかと思います。
なお、千葉市は国民健康保険特別会計も多額の累積赤字を抱えています。
これは国保会計の収支バランスが崩れていたことに加えて、予算繰りが極めて厳しかった平成21・22年度において一般会計からの繰り入れを抑制したために、膨大な累積赤字を抱えることになりました。
既に国保会計の健全化プランを策定し、保険料の見直し・ジェネリック医薬品の普及促進などによって10億円以上の収支改善効果が出ていますが、一般会計が依然厳しいために国保会計への繰り入れを抑制せざるを得ず、累積赤字の解消に手が回らない状況です。今後もプランに沿って収支の改善を進めるとともに、一般会計の改善による安定的な繰り入れを実現していきます。