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2013年09月12日

千葉市避難行動要支援者名簿に関する条例案

現在、災害対応に関する条例案のパブリックコメント手続きを行い、皆さまの意見を募集しています。

条例案の名称は「千葉市避難行動要支援者名簿に関する条例案」で、市が保有する「避難行動要支援者」の個人情報を、本人から拒否の意思表示がない限り、平常時から自主防災組織や町内自治会等に提供できるよう条例を制定するものです。

⇒「千葉市避難行動要支援者名簿に関する条例(案)の概要」 パブリックコメント手続

千葉市では平成20年度から「災害時要援護者名簿」を作成し、災害時に自力では避難することが難しい高齢者や障害者の避難を支援することとしました。
しかし、名簿を行政が保有していたとしても、一番地域に身近な自治会や自主防災組織が事前にその情報を把握していなければ、いざという時に助けの手が差し伸べられない懸念があります。災害時はただでさえ混乱するので、その時に名簿を貰っても避難を支援する体制が整えられないことは十分に考えられます。

平成22年度からは平常時から自治会や自主防災組織に提供することとしましたが、個人情報であることから対象者本人の同意が必要としていたため、名簿の多くが未だに提供されていない状況です。
そこで、今回条例を制定し、要支援者の定義・名簿の提供先・個人情報の適正管理を明示した上で、本人から拒否の意思表示がない限り自治会や自主防災組織に提供できることとします。

この案件は私にとっても少し忸怩たる思いがあります。
私は就任当初より、こうしたケースの場合は拒否の意思表示がない限り提供すべきではないかと防災部門には何度も問題提起をしていましたが、リスク等の観点からなかなか議論が進みませんでした。
その後、東日本大震災が発生し、防災への備えがより意識され、自治会や自主防災組織から名簿の提供を求める声が一層強くなっているにも関わらず、本人同意が一人ひとりの手挙げ方式のため、その声に応えられていません。

これは千葉市に限らず全国的な課題となっており、国も「より積極的に避難支援を実効性のあるものとする等の観点から、本人の同意がなくても平常時から名簿情報を外部に提供できる旨を市町村が災害対策基本条例等で別に定めている場合は、平常時からの提供に際し、本人の同意を要しない」という指針を出しています。
既に横浜市など、条例を定めて提供している自治体もあり、これら国や他市の状況を見て再度防災部門と議論した結果、12月議会に条例案を提出する方向で検討することとなりました。

大震災以前より課題として議論されていたにも関わらず、実効性を高めるための積極的な取り組みを、国や他市が動き出さなければ結果的に実施できなかった事実を防災部門も私も重く受け止めなければいけません(全国的に遅れているわけではありません)。
千葉市はどうしても国を見る癖がついていますが、地方分権の時代にあって、自分たちが現場を日々見ている以上、その現場の課題を自らの手で解決する気概を持って施策検討に当たらなければいけませんし、私も職員がそうした意識を持って職務に臨めるよう努めたいと思います。

もちろん、個人情報を扱う以上、慎重な対応が求められます。提供先の自主防災組織・自治会の個人情報保護体制については定期的なチェックを行うなど、適切な管理が行われるよう細心の注意を払っていきます。
posted by 熊谷俊人 at 10:34| Comment(0) | TrackBack(0) | 安全・安心の街づくり | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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