以前よりこのブログでご紹介していますが、羽田空港の再拡張に伴い、千葉市上空を多数の航空機が飛行しており、飛行ルート下の住民からは騒音被害の軽減を求める声が出ています。
国土交通大臣への要請活動などを行ってきましたが、今回国から新たな提案が示されました。
まず、以前より要望していた北ルートの高度引上げについて試行案が示されました(南ルートは既に試行済)。
南ルートの高度引上げは若干効果はあったものの、住民の皆さんにとっては軽減されたと体感できるものではありません。また、北ルートの高度引上げは500フィートと低く、これが抜本的解決につながるわけではありません。更なる高度の引上げや首都圏での騒音共有化などを求めました。
問題は来年3月の国際線3万便増枠に対応するため、との理由で示された「発着枠・飛行ルートの運用の柔軟化」です。
私たちは抜本的な騒音軽減が果たされない中での来年3月の増便自体にも反対をしていますが、今回の提案は時間帯によってはさらに増便となるものです。
現在の発着枠は一時間あたり37回に対して3万便増枠によって40回に増えることが予測されていました。しかし、航空機の需要は各時間一定ではなく、特定の時間に集中します。そこで国は需要が少ない時間帯の枠を、需要が多い時間帯にスライドさせることで、40回ではなく43回まで枠を拡大させたいとの方針を示してきました。トータルの発着枠は同じだというわけです。
騒音が軽減されるどころか、さらに拡大しかねない案は到底受け入れることができません。断固反対する旨を表明しました。他市町村も同様に反対の意見表明。
私たち千葉市は南風好天時に飛行ルートとなりますが、今年の夏場は例年になく南風が少なく、それ以外の天候の時に飛行ルート下となる市川市などで騒音への苦情が急増しているようです。
他にも私からは、「騒音軽減を切に要望している住民に対して、少しでも騒音軽減策を図ろうとしている中で、更なる騒音増加につながる柔軟化の話が先に出てくることは信頼関係を根本から崩すことになる。国土交通省は自ら住民に対して説明するべき」と伝えました。
今後、連絡協議会を通して、運用の柔軟化への反対、さらなる騒音軽減策を図ること、首都圏全体に分散するための具体的な検討に着手することなどを求める緊急要望書を国土交通大臣に提出する予定です。
11月10日には夜11時を超えて飛行する航空機が2機もあり、運用ルールまで無視されはじめています。航空機客室の窓がよく視認できるほどの低高度を飛び、恐竜の鳴き声のような大音響をまき散らしながら飛ぶ姿をみると、増便なんてとんでもありません。
本件、県内複数市町村の住民が被害を受けていることから、「千葉県」が課題解決を推し進めるべきだと思います。しかし、千葉市(長)や佐倉市(長)の目に見える活動にくらべ、千葉県(知事)の活動が伝わってこないのは何故でしょうか。各市町村が独自に国と折衝することになっている現状に対して、何だか違和感を感じてしまいます。