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2015年02月17日

平成27年度予算案B:行政改革・市民サービス向上

新年度予算案の各分野紹介のうち、行政改革・市民サービス向上についてご紹介します。

私が就任以来、取り組んできた課題の一つです。
民間企業から千葉市役所に入った時、非効率・旧時代的な業務実態が数多く存在し、それらを一つひとつ改善することで@コスト削減、A市民サービス向上、B職員の意識改革、を実現することを目指し、具体的な事業に着手してきました。

主なものでは、

・外郭団体の統廃合
・押印事務の見直し
・外部人材による事務事業評価
・資産経営部・情報経営部の新設
・CIO補佐監等の外部人材の登用

といった庁内体制面での見直しに加え、他政令市に比べ大幅に遅れていたシステム面では

・住民情報系システムの再構築
・庁内情報システムの統合サーバへの集約
・市水道と下水道の徴収一元化
・滞納管理システム等の各種業務システムの導入

などを進めています。
特にシステム面では数億円/年レベルで効果額が発揮されるものもあり、千葉市は徐々に筋肉質な行政体に生まれ変わりつつあります。

新年度予算案では、

●庶務事務業務改革 約1億円(債務負担行為 約6億円)
市役所に来て驚いたことは、未だに出勤簿は紙&ハンコ、出張命令等も紙で処理し、最後に庶務担当がシステム投入しているということです。私が会社を退職した2008年時点でも多くの企業は既にIT化されており、日々このプロセスをおかしいと思わない職員意識に愕然としました。自分たちの基本的な処理すら改善できない人間や組織に行政改革など望むべくもありません。説明も不要ですが、二重作業による無駄な職員稼働が発生するほか、データ管理できないことによって庶務管理レベルが低いままであり、膨大な紙資料が発生すること等々のデメリットがあります。
そこで平成24年度より業務プロセス改革の有効性調査を実施し、業務調査・システム開発基本計画の策定を経て、新年度より庶務事務システムの開発に着手します。コスト削減効果はシステム開発・運用経費を差し引いても10年間で2億4700万円ほどと試算されます。

●内部管理システムの導入 760万円(債務負担行為 約15億円)
庶務事務改革に加え、既に導入されている財務会計システムと文書管理システムの再構築を実施し、内部事務における手作業による帳票作成や他システムと未連携であるために発生する非効率的な業務を改善します。
こちらはコスト削減効果は10年間で20億9,000万円と試算しています。

●区役所窓口改革の推進 20万円(債務負担行為 10億5,500万円)
区役所に行くと一つの窓口で解決せず、複数の窓口を回らざるをえない場合があります。市民の手続きへの煩わしさを解消し、手続きに要する時間を最小化するためにワンストップで対応可能な総合窓口を平成29年1月に導入すべくシステム開発に着手します。
また、6区役所の各窓口のバックヤードで行っている事務を1ヶ所に集約する事務センターを設置し、業務効率化を図ります。こちらはコスト削減を図るものではなく、市民サービス向上のために投資をする案件となります。

●上下水道料金徴収一元化 1000万円
県水道局給水エリアでは上水道と下水道の徴収がバラバラで、これにより徴収コストが二重に発生し、市民にとっても両方の手続き・支払いが必要です。私はこの千葉県特有の課題を解決すべく、就任以来積極的に県や周辺市に対して働きかけ、具体的に協議にこぎつけ、新年度いよいよ県や各市でシステム開発に着手することとなりました。一元化は平成30年1月から運用開始予定です。
コスト削減効果は少なく見積もっても千葉市だけで年間4,700万円ほどが見込まれ、システムや徴収事務委託の落札結果によっては削減効果はより大きくなることも期待できます。

組織やシステムの改革は時間がかかります。対象が大きく、改革した場合の影響が大きいため、机上の計算が正しいのかどうか、別の面でマイナスが発生しないか等々、慎重な議論を重ねた上で実行する必要があります。
6年前に就任して以来、最重要課題の一つとして取り組んできましたが、数年に及ぶ検討の結果、ようやく開発に着手できるものもあります。それだけに民間も含めて、この分野は長期的戦略とトップの意思の有無がはっきりと分かる分野でもあります。


他にも様々な行政改革や市民サービス向上に取り組んでおり、新年度予算案で主なものを紹介すると、

●自転車駐車場利用料金の納付方式を改善 約3200万円
駐輪場の利用にあたって、多くの市民の方が毎年この時期に公共施設等に行って、駐輪場利用料金の支払いと証明シールを受け取るために並んでいます(平均約23分、最大約2時間)。せっかく半数の方が電子申請で利用申請をしているにも関わらず、決められた日時と場所に集まって並ぶというのは非効率的です。市民の貴重な時間を返すためにも、受付・処理をする人件費を削減するためにも何とか改善できないかと担当課に検討を指示していました。
検討の結果、コンビニ・クレジット・銀行窓口で支払い可能な納付書を送付することとし、これによって市民側は合計19,000時間削減され、仮に千葉県の最低賃金で計算しても約1,500万円という価値になります。なお、予算3200万円ですが、従来方式でも同程度の費用を要しているため実質導入費用はかかっていません。また、システム改修費が発生しない平成28年度以降は約2,600万円となり、年間700万円ほどのコスト縮減効果が見込まれます。

●道路照明灯のLED化(第2弾) 1,270万円
千葉市が保有する道路照明灯22,900灯のうち、既に今年度から約13,100灯をリース方式によってLED化しています。これによって電気料金の削減が図られ、その効果額はなんと年間約2億7千万円と試算されています。もちろん地球環境にとっても貢献しており、CO2は年間約3,700tの削減が見込まれています。これは、乗用車1,600台分の年間排出量に相当します。
新年度では残った照明のうち、削減効果が期待できる3,400灯をさらにLED化します。

●防犯街灯のLED化 156万円(債務負担行為 23億1,200万円)
町内自治会が保有している防犯街灯51,000灯を、市で一括してリース契約によってLED化する大型施策です。原発事故以降、電気料金の値上げが続き、防犯街灯の電気料金を支払う町内自治会の負担も増大しています(この間、市も補助率の引き上げを行う等の支援をしています)。
今回のLED化によって1灯あたりの町内自治会が負担する電気料金は年間788円→614円と、22%ほど軽減されることが見込まれます。さらにメンテナンスも含めたリース契約になりますので、自治会の方が街灯が切れているか確認したり、交換依頼を行うことも無くなり、かなりの負担軽減になります。市にとっては年間約2,660万円ほどのコスト削減となり、落札率によってはより大幅なコスト削減も期待できます。

●市税クレジット納付 400万円
以前より要望の多かった市税等のクレジットカード納付ですが、市民の利便性は向上するものの、クレジットカードの手数料はコンビニや窓口収納と比べると高く(108円/市税1万円)、安易に導入すると実質的な市税収入の減少となることが問題でした。
そこで、手数料を納付者が負担する方式で市・県民税、固定資産税、軽自動車税を納付可能とすることとしました。なお、県税事務所では既に自動車税のクレジットカード支払いを導入していますが、同様にカード手数料を納付者が負担する方式を採用したところ、それでも数万件もの利用があったということです。

●コンビニ交付等の整備 債務負担行為3億2,000万円
住民票や印鑑証明等を平成28年1月より交付される個人番号カードを用いてコンビニや区役所等で取得できるようシステム構築、自動交付機の設置を行います。
以前よりコンビニ交付は実現する予定でしたが、住基カードで導入しても今回の個人番号カード交付によって二重投資になることが予測できましたので、個人番号カード交付のタイミングに合わせて導入することとしていました。
なお、個人番号カードの普及が伸び悩んだり、市民がコンビニでの取得を利用しなければコスト削減効果は生まれません。個人番号カードを取得した方に何らかのインセンティブを設けるなど、市民の方々の行動様式を変えていくことも重要な視点です。
posted by 熊谷俊人 at 12:01| Comment(0) | TrackBack(0) | 財政・予算 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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