前原国交相の羽田ハブ空港化の話が大きな反響を呼んでいます。私も今日はメディア対応に追われました。
新潟市から帰る途中の新幹線でニュースを知って「これは騒ぎになるな」と思いましたが、発言を聞く限り、おそらく深く練られた計画ではなく前原大臣の思いを述べたものに過ぎないのでしょう。
国際競争力と言う観点から立地条件の良い羽田空港をハブ空港に、という考え方は十分理解はしますが、
タイミングと切り出し方が悪かったと思います。
暫定滑走路の延長がようやく実現し、かつ
成田新高速鉄道が来年開業し、都心へのアクセスが大幅に短縮されるという、成田空港にとっては大きな飛躍が期待されるタイミングですから、期待が大きかった分、前原大臣の真意を飛び越えて深刻に受け止めてしまったことでしょう。
ここまで成田空港および周辺環境を整えるにあたっては関係者の並々ならぬ努力の積み重ねがあります。
前原大臣にとっては「当然のことだし、成田を軽視しているわけではない」と言いたいところでしょうが、今までの経過を考えると成田空港に関する問題は相当慎重に発言しなければ、積み重ねてきたものが一瞬にしてパーになってしまうことを感じて欲しいと思います。
千葉市民にとっても騒音問題は避けては通れない問題です。
美浜区など上空を飛行機が頻繁に通過するエリアの住民の方にとっては切実な問題ですから、今回のように大臣発言が一人歩きして市民が不安になったり混乱したりするのは好ましいことではありません。
・羽田は国内、成田は国際という役割分担をどの程度見直すのか
・羽田再拡張で国際線に一部割り当てる発着枠をもう少し増やし程度なのか
・それとももっと大胆な役割見直しを行うのか
・その際に成田空港の位置づけをどうするのか
・国内線の問題や騒音の問題をどうするのか
などなど課題は山積しています。
ある程度そうした課題に整理をつけてからオープンにすればここまでの騒ぎにはならなかったでしょうし、前原大臣の真意もきちんと伝わったと思いますので性急な発言ではあったと思います。
もちろん、私たち千葉県サイドも成田空港と羽田空港の役割について日本全体の競争力という広い視点に立って、地域としての主張や提言を国に対して行っていかなければなりません。
※10/15追記
一部メディアでは私が不快感を示したという表現がされていますが、私は「いささか性急な発言」「議論を積み重ねて欲しい」と言っただけです。