遅くなりましたが、
こどもの力フォーラムの報告です。
まず始めに、
子どもの職場探検&ランチミーティングの成果発表。
これは子どもたちに市役所の様々な職場を訪問してもらい、職員とのランチミーティングも行いながら街づくりの裏側を知った上で、感じたこと、改善して欲しいことなどについて考え、発表してもらうものです。
今年は国際交流協会、新浜リサイクルセンター、中央図書館の3ヶ所でした。中央図書館には私もランチミーティングに参加しています(
2011年10月29日のブログ参照)。
まず
国際交流協会のグループは、日ごろから外国人と交流する機会を増やすこと、自分から積極的に話す、学校で仲良くする、特別扱いしない、などの大事さを感じたほか、子どもが参加できる交流イベントやボランティアをつくって欲しいという提案でした。
国際交流を所管する職員からは「今回国際交流について知った後、自分たちで外国語を勉強したりした?」という質問に対しては誰も手が上がりませんでした。職員からは「考えたらまず自分でできることをやることが大事。相手の立場を考え、相手を思いやる心が必ず芽生えるはず。」という意見が。
言いっぱなしの提案には説得力はありません。私たちは子どもたちの意見をただ聞くことが目的ではなく、主体的に行動する子どもたちを増やし、その意見を街づくりに反映させることが目的ですから、今後もこの姿勢が重要です。
次に
新浜リサイクルセンターのグループは、参加者に対してごみ減量、リサイクルの重要性を様々なデータや実例などを明らかにしながらPRしてくれました。特に「大人に伝えないと」「外でゴミを見たらすぐに拾って捨てる行動が大事」「ケータイなどのゲームで分別を楽しく学べる仕掛けとかがあれば」といった意見が非常に印象的でした。
中央図書館のグループでは、「今の図書館に不満はない」という結論を先に出し、逆にこんな図書館は嫌だ、ということを説明するなどユニークな発表でした。
その中の提案で
「スーパーのように本棚の分類表示を高い位置に付けると探している本が見やすくなる」という提案は私たちにとって非常に新鮮でした。電気専門店などでも必ず天井などから商品陳列の分類を表示していて、遠くからでも分かりますよね。
この提案を受けて、早速中央図書館では柱の上部に分類表示を行いました。言われてみると当たり前のことなのですが、大人には固定観念があり、なかなかこうした見直しに気付きません。他の職場でも同様の改善ができないか検討します。
こんな感じです
その後、
こどもの参画ガイドラインの説明、こどもの力ワークショップの成果発表に。
ガイドラインは「こどもの参画」を進めるにあたって、その基本的考え方や、どのような点に注意したらよいか、そしてどのように進めたらよいかという方法などを、こどもの参画を支える大人に伝えるため、平成23年9月に策定したものです。なお、この案については、平成22年12月に包括的な連携協定を結んだ公益社団法人こども環境学会に委託し、作成しました。(
参画ガイドラインはこちらをご覧下さい)
しかし、これはあくまで大人向けのものであり、子どもたち自身にとって分かりやすいものではありません。
ワークショップに参加した子たちから「自分たち用のものを作りたい」という意見が出て、ワークショップの中で議論し、素晴らしいものを作ってもらいました。その名は
「こどものためのまちづくりハンドブック 〜ぼくらのまちづくり作戦〜」。私も一読してすぐに「これは分かりやすい」と唸りました。(後日掲載します)
「こどもの参画」という定義そのものがやはり大人目線ですから、まずはこの定義や名称から、こどもたちが参画して決めていくことがスタートラインなのかもしれません。
「ぼくらのまちづくり作戦」をこども達には示していきたいと思います。さらに言うと、「こども」という表現自体がどちらかというと中高生には「自分と関係ない」と思われがちなので、ジュニア・ユース、色々表現はありますが、何か適当な対象の定義も必要だと考えています。
その後、こどもたちと私の座談会。
自分達でガイドラインを作るに至った経緯や、行動・公共・責任といった点についてそれぞれの考え方を披露してもらいました。
フォーラムは4回目になりますが、少しずつ子どもたちに関わる方々にも認知されるようになり、多くの方々に出席して頂けるようになりました。
参画の方向性などについても焦点が定まってきており、形になり始めてきたと実感します。多くの関係者の努力に敬意を表します。