こどもの力フォーラムは子どもを取り巻く様々な課題について子どもとともに専門家、行政、市民と一緒に考えていくもので、こども環境学会のご協力も頂き、今回で3回目の開催になります。

●千葉市の子ども施策の大きな柱の一つが「子どもの参画」
千葉市では今年4月に子ども未来局を立ち上げ、子どもに関連した諸課題に一体的・総合的に取り組むことにしました。その中で大きな施策の一つが「こどもの参画の推進」です。
子どもたちを単に守り育てるだけの存在とせず、一番未来を持つ一人の市民として捉え、その意見を街づくりに反映させる取り組みを通して、街づくりを担う一員であるという自覚と責任を持ってもらいたいというのがその趣旨です。
●子どもたちの声を街づくりに反映を
日本の子どもは他の先進国の子どもたちと比べて著しく孤独感が強く、向上心が低く、将来に対して悲観的であることがデータなどで示されています。私たち千葉市が行った調査でも社会に対する参画意識が低く、その理由として「やり方がわからない」「意見を言っても変わりそうに無い」という意見が多く見られました。
そこで子どもたちに意見を言う場とそれを受け止める社会システムを作り、小さなことでも成功体験を積み重ねていくことで子どもたちの地域社会への参画を促進していきたいと思っています。
民主主義・自治とは、自分の居場所を良くするため自分たちで責任を持って行動することが全ての根幹です。自分達で行動して道を切り開くことができれば未来への希望も持てるはずです。
この日はこども環境学会の仙田理事長から「こどもにやさしい都市」という講演の後、先日行われた子どもの職場探検をしたグループから発表、そして子どもの力ワークショップで議論してきた「私の公園・みんなの公園」の発表、そして新しい公園のあり方を考えるパネルディスカッションへと移りました。

下水道処理施設を職場探検したグループの発表
●公園は本当に子どもたちのために作られている?
私たちの時代は公園以外にも様々な遊び場所があり、そうした場所での遊びを通して自然と子どもの感受性や創造性が高まっていましたが、今は遊び場所も限られていますので公園の役割は今まで以上に重要になっています。
しかし、その肝心の公園は、例えばトラブルが起きた遊具は父母からの苦情もあり撤去され、音がうるさいなどの近隣住民の苦情でボール遊びが制限される公園もあるなど、どんどん遊びの幅が狭められています。また、保護者の感覚としては子どもたちだけで公園で遊ばせるのは危険、という考え方もあり、公園で遊ぶ子ども達の数は減少しつつあります。
もう一度、私たち大人は子どもたちの遊び場としての公園について真剣に考え、子どもたちが公園を通して様々な体験ができるためにはどのような取り組みをすべきか議論していかなければなりません。
今回、子どもたちも含めて真剣に議論した結果はまたホームページなどで公開していきたいと思いますので、一人でも多くの方々にご関心を持って頂ければ幸いです。