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2011年02月02日

国の高齢者医療制度改革に対して要請活動

この日は朝から東京に向かい、矢田神戸市長とともに指定都市市長会を代表しての要請活動
昨年12月24日に行われた指定都市市長会において私から「国の高齢者医療制度改革に対して地方・指定都市として声を挙げるべき」と提案し、全会一致で承認をされたことを受けての活動です。

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民主党の梅村参議院議員に要請

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厚労省の大塚副大臣に要請

●国の高齢者医療制度改革でムダ、ロスが発生しかねない
民主党は後期高齢者医療制度廃止をマニフェストで訴え、政権交代後、廃止を前提に新たな高齢者医療制度を構築するため検討を重ね、昨年12月に最終とりまとめを行いました。
その案を見ると、いくつかの点で制度逆行の恐れがあり、このままでは後期高齢者医療制度の導入にあたって各自治体が莫大な経費をかけて整備したシステムがムダとなるなど、様々なロスが発生することが懸念されます。

●後期高齢者医療制度導入で地方は多額の経費をかけました
老人保険制度から後期高齢者医療制度に移行するにあたり、今まで市町村が実施していた保険料の賦課・給付を都道府県毎に設置された広域連合が担うこととなりました。それに伴って広域連合に標準システムを、市町村に後期高齢者システムを構築したわけですが、千葉市だけでもシステム経費が7億円もかかり、国からの補助はほんの一部しか出ませんでした。
社会保障制度の変更は各自治体に驚くほどのシステム経費を発生させます。後期高齢者医療制度は制度導入にあたり、世論の強い反発などを受け、制度が導入直後からも微修正が入りました。そのことによっても莫大なシステム改修コストが発生しています。

●そのシステムや仕組みが無駄になります
今回の改革案を見ると、保険料の決定や財政調整などを都道府県が担うことになっていますが、保険料の賦課・給付が市町村に戻ってくるような絵になっています。これでは後期高齢者医療制度の導入に伴い広域連合・市町村で構築したシステムがムダになり、さらに市町村はまた新たにシステムを構築しなければならなくなります。こんなムダなことが全国で行われることは絶対に避けなければなりません。
もちろん、システムだけでなく、人員・体制など様々な面で今まで積み上げてきたものがムダとなりかねません。

●既存の仕組みを活用する発想で
そのため、私たちとしては可能な限り既存の仕組みを活用する制度変更を行うことを求めました。
制度変更第2弾において計画されている、国民健康保険と高齢者医療制度を一元化するという議論や、それらを含めて市町村ではなく都道府県を運営主体とする、という方向性そのものは決して間違っているとは思いません。第一弾のステップがずれているのではという指摘です。

●大都市を想定したシステム議論を
さらにシステム出身者として付け加えたことは、国でシステム要件を検討する際に大都市を想定した議論が不足しているために、結局それぞれの政令市がシステムをカスタマイズする必要が生じ、無用のコスト増を招いている過去の反省から、国はシステム要件を議論する際には必ず大都市も対応したシステムとするよう要請しました。大は小を兼ねますが、小は大を兼ねません。

●今回の要請活動は効果あり
民主党の要請対応窓口である梅村参議院議員、厚生労働省は大塚副大臣に対応して頂きました。
梅村議員は民主党の高齢者医療制度改革ワーキングチームの事務局長をされていることもあり、この点について十分認識をして頂きました。特に大都市を想定したシステム議論が不足していることについては「こういうご意見を頂くことは今まで無かったのでありがたい」ということでした。
大塚副大臣はシステムに造詣が深い方で、「こういうシステムサイドから制度議論をすることはこれから非常に大事。民間はこの発想でやっている。事務方と十分この点について検討をしていきたい」とのことでした。システム改革と業務の標準化などBPRの重要性について少し脱線しながら盛り上がりました。

●システムの大事さを理解する政治に
大事なことは早い段階で地方からトップレベルで意見を言うことだと思います。
また、大塚副大臣とも意見が一致しましたが、今の制度議論においてもシステム側の発想が政治には不足しています。今、世の中のサービスは全てシステムによって動いており、このシステムがいかに優れているかが企業の競争力そのものにつながるため、企業はシステム改善に常に最大の投資を続けています。一時期、ANAとJALのホームページ・予約サイトのレベルの差は歴然としていました(もちろんANAが圧倒的に優れていました)。企業のレベルはシステムを見れば分かります。
今ようやく税や社会保障について共通番号を付与する議論が始まっていますが、これは10年前に導入していなければならないもので、先進国の殆どが既に導入済みです。このことによる行政と国民の損失は兆単位です。この国は現代において最も重要なシステムが相当遅れていて、そのことを政治が問題視してこなかった国だということも是非知って頂きたいと思います。

●マスコミは中身を報道して欲しい…
その後、ぶら下がり取材を受けたのですが、こういう専門的なことはなかなか記者も理解しにくいのか、記事にしにくいのか、結局記事になったのは「民主党のマニフェストのためになぜ地方がシステム費用を負担しなければならないのか」という地方の反発といった点だけでした。
もちろん反発をしているわけですが、私とすれば早い段階で地方の建設的な提案をしたつもりだったので、こういう議論が詳しく新聞で取り上げられるようにならないと、国民の皆さんはいつも政局や政治的対立ばかりしていると思ってしまうのではないでしょうか。取り上げてもらうこと自体はありがたいのですが…、うーん。
posted by 熊谷俊人 at 23:00| Comment(7) | TrackBack(0) | 国や県の制度など | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
高度なIT技術を伴う折衝でお疲れ様です。
思うにこの案件にぶら下がるIT企業も多く、複雑怪奇な議論になっているかと、いささか’かんぐり’たく成ります。市長の豊富な経験と知識に磨きを賭けて、折衝献策をお願いします。
Posted by 稲毛区:草間 at 2011年02月03日 09:17
最後の「うーん」に市長の苦悩を感じました。
日頃からわが国の政治には何か足りないもの、的外れな面を感じていましたが
マスコミもまたしかり、なのですね。
困りましたね。うーん。
Posted by 若葉区のペンギン at 2011年02月03日 13:01
民主党の言っている医療制度ですが、現役負担がめちゃくちゃ増えるように見えるのは私だけでしょうか?
今年の4月にまた協会けんぽの保険料が値上げされます。2年連続です。
少子社会、高齢社会、人口減少社会の現状だと、保険料の値上げは仕方が無いと思いますが、やるべきことやっていないような気がします。
例えば、
・前期高齢者(70歳〜74歳)の自己負担を本来の2割に戻してほしい。(現状は暫定的に1割負担。残り1割は税金で補填)
・育児休業手当金が、暫定的に給与の5割保障になっているが、本来の4割保障に戻してほしい。
・本来の出産費が38万円なのに、現状は42万円。42万円は、平成23年3月までなのに、いつの間にか延長になっている。
・自治体の医療費タダを、通院は廃止してほしい。(通院が実費かかることにより、健康管理を意識すると思います。なお、入院のタダは賛成です。入院は、通院を何度もやっており、どうしようもなくなったときに行うものだと思うので。)
・国保だと扶養人数が増加すると、人頭税的に保険料を払うのに、社保だと扶養人数にかかわらず保険料は給与のみに依存する。社保も扶養人数が増加すると、人頭税的に保険料を徴収していただきたい。
・今年度、診療報酬がプラス改定になった。これが政権交代の効果のように言っているが、その裏には、保険料が1%値上げされていることをちゃんと説明していただきたい。

ずいぶん長くなりましたが、消費税増税反対と言いながら、こそこそと保険料を上げるならば、正々堂々と「これだけお金が足りません。私たちも○○や△△の努力するので、消費税を20%にさせてください。」と言う政治家が誠実に見えるような気がします。
まぁ、4月の統一選挙でそういう政治家を選ぶことが、私が出来ることだと思います。
Posted by 田舎者 at 2011年02月03日 21:06
国民の損失は兆単位ですというのは、市長が教えて下さらなければ判明できかねるのですが、かなりショックです。
何をどう信じたらいいのか分からなくなると
言っても、市長と市政を大切にする仲間を信じて従うしかないですね!!
Posted by じゅん at 2011年02月05日 21:05
片方からの意見を言わせてください。知識の無い無知な素人です

「膨れ上がる医療費」を皆で考えていく時に医療費総額(レシートに点数で表示される事が多い)を意識する事が大切だと考えます


例えば医療機関で900円(3割の場合)支払ったら「今回の私の医療費総額は3000円だった」と意識すれば、安くはないのだからと、今後気をつける様になる部分もあるかもしれません。


子供医療費は無料化よりも
『1%』(3000円の治療なら30円)支払う事によって即座に3000円という金額が浮かび
医療費総額を意識し、考えていく事に繋がると思います。
Posted by 市民 at 2011年02月07日 15:25
私は地方公務員です。千葉市のではありませんが。
おっしゃるとおり、自治体のシステム費用は莫大なものがあります。特に安易に税制改正などされると、大幅な設計変更が必要になり、とんでもない金額がかかります。
また、契約期間中のシステム改修は随意契約にせざるを得ず、金額が高額になりがちです。
不可思議なのは、自治体職員が報道レベルでしか情報を有していないのに対して、開発ベンダーの方が最新の情報を有している点です。マスコミが行政とITゼネコンの関係をあまり批判しない点も同様です。
政治家の方でも、こういった「行政の過程」に意識を持っている人がいるというのは、すごく希望が持てます。
がんばってください。
Posted by 元美浜区民 at 2011年02月08日 22:48
しかし、難しそうなお話ですね。
いえ、言わんとするところは簡潔ですし、よくわかりますが、実際にどのように実現するかとなると…。

保険の資格自体は市町村国保にありながら、保険料の賦課や給付は後期高齢者医療のシステムを利用する。

これは確かに、後期高齢者医療のシステム導入に費やした費用を無駄にはしないのでしょうけれど、市町村国保側の大規模なシステム改修が必要ではありませんか?
資格はあるが、保険料も計算しないし給付も発生しない人というのを設定しなくてはいけないのですよね。単純に年齢だけで判定すればいいってものではなくて障害者は65歳から後期高齢者扱いとかの例外もありますからっちょっとの手直しではすまなさそう…。
さらに、市町村国保と、後期高齢者のシステムとを両方のシステムを運用する費用がかかってしまいます。
保険料も給付も市町村に戻して、国保のシステム1本でやる方法と比べて、どちらのほうが費用が少なくてすむのか…。

将来的には、国保の県単位の統合という話があるようですが、それならいっそ、それまで高齢者医療制度は現行のままで運用するのが一番システムの費用がかからなくて済むのではないかな、と思いました。

個人的には、75歳になったら保険制度が別になるのはおかしいと思っていますので、後期高齢者医療制度の廃止自体は賛成なのですが、国保の県単位での統合再編をするならその時期までは、現行制度を今のまま運用してもいいのでは。
急いで制度を変えても、また後期高齢者医療制度がはじまった時のように混乱が起きそうですしね。

とはいえ、後期高齢者医療制度の廃止は民主党の公約にもなっていますし難しいかな…。
Posted by 市外の人 at 2011年02月16日 07:25
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